自然と調和する暮らし:お客様のお宅訪問記

兵庫県の山間にある閑静な住宅街。ここに3年前に新居を建てられた当店のガーデンショップユーザー様のお宅に訪問しました。お客様は新居に住み始めてから、植物に囲まれた暮らしを楽しんでいます。それまではマンションで生活されていて、育てていたのはモンステラだけでしたが、Instagramなどを見ながら、緑に囲まれた暮らしに憧れ、家を建てたことをきっかけに、植物を徐々に増やされてきました。

お客様の植物との日常

■写真「玄関前のディスプレイ」玄関を開けると、緑が添えられた素朴でバランスの取れたディスプレイが目を引きます。自然素材の籠やリースが、空間に温かみを与えています。

 

山中:「日常の管理ってどのようにされてるんですか?」

お客様:「私は朝、なかなか時間が取れないので、夜に手入れをしています。日常的には葉水を行い、週に1~2回、流し台に観葉植物を並べて水をジャーっと流します。朝になったら水が切れているので、元の場所に戻す感じですね。」

山中:「大きな観葉植物の水やりは大変ではないですか?」

■写真「フィカス・バーガンディ」テレビの横にバランスよく、添えられています

お客様:「フィカス・バーガンディーは、この時期はもう1ヶ月ぐらい葉水しかあげていません。夏でも2~3週間に1回ぐらいのペースで水をやる程度です。あげる時はウッドデッキに出してホースでたくさんあげます。移動式の台に乗せて、下にお皿を挟んで、鉢底から出る水を受けることもあります。忙しい時はとりあえず水をやって、床に落ちた分を拭くこともあります。」

山中:「日常的なお水やりは何でされてますか?」

お客様:「この小さなじょうろです。」

山中:「肥料は?」

お客様:「ハイポネックスの肥料とリキダスをあげています。」

山中:「その他、日常管理で気をつけていることはありますか?」

お客様:「とにかく、できるだけよく見るようにしています。観察することで、傷んでいる部分にも気づくので、枯れている部分は取り除いたり、こまめに管理しています。」

植物に囲まれた生活の変化

山中:「家を建てられて、植物に囲まれた暮らしをされるようになって、何か変わってきたことや、良かったことはありますか?」

お客様:「春がすごく楽しみになりました。冬が少し寂しく感じるぐらいに笑。子どもも植物を好きになっています。子どもには、すごくいい影響があるなと感じています。脳科学的にも教育に良いという情報もあります。」

山中:「なぜ、大変な部分も多い植物の管理を、子育てと並行しながらされているのですか?」

お客様:「私にとって植物を触ることは、好きなドラマを見る時間と同じぐらいの感覚でご褒美なんです。ご褒美の割にはほとんど水をやらなくてもいい時期もあるので、楽なんです。また、育てるのが好きなんです。一枚一枚の葉っぱを拭いたりするのも好きなんです。」

山中:「きっかけなどはありましたか?」

お客様:「家を買ったタイミングです。やっと自分の好きな家で、好きにインテリアを飾れる環境が整ったことが大きいですね。」

山中:「同世代のご友人や知り合いに、緑が好きな人、緑について情報交換ができる人はいますか?」

お客様:「あまりいません。参考にしているのはインスタグラムで緑に満たされた部屋を投稿している方々ですね。」

園芸店のお客様は、子育てが落ち着いた世代の方が多いかもしれませんが、私(山中)自身も現在子育て中で、子どもが緑を楽しむ姿を見て、その素晴らしさを再確認しています。子育ての忙しさの中で、最初の一歩として植物を購入して家に置くことは難しいかもしれませんが、実際に育ててみると、子どもが植物を通じて生き物を学ぶ姿に良いものを感じます。事実、植物を育てることは、子供の認知的、感覚的、身体的、情緒的、社会的発達に寄与し、環境意識を高めるために非常に有益であることが、様々な研究で示されています​。

■写真「部屋中の植物ディスプレイ」

外のお庭へ

次にお庭を見せていただきました。冬はほとんど水をやらず、夏は花壇は朝と夕方に水やりをし、芝生全体には水をやっています。芝生はサッチングと芝刈りを行い、肥料を与えているとのこと。今年初めて穂を出した大きなパンパスグラスは、新築の際に小さな苗を植えたもの。ゆるやかな斜面はまだまだ未開拓ですが、宿根草が入り乱れる北海道の風のガーデンの風景など、夢が広がります。

■写真「斜面のパンパスグラス」

前庭花壇にはオリーブやポポラスなどの樹木が植栽されており、排水性を改良しているため、今後しっかりと成長してくることでしょう。

■写真「様々な植物が植栽された、前庭花壇」

 

まとめ

お客様とのお話を通じて、植物に囲まれた生活の魅力を改めて感じました。植物と共にある暮らしは、心に豊かさをもたらしてくれるのです。春の訪れを楽しみにし、子どもたちにも良い影響を与える植物との暮らし。忙しい日常の中で、植物の世話をする時間がご褒美となり、心をリフレッシュさせる貴重なひとときとなっていることが伝わってきました。

今回の訪問を通じて、私たちもまた、植物の持つ力を再認識し、より多くの方々にその魅力を伝えていきたいと感じました。お客様のお宅は、まさに自然と調和した豊かな暮らしの象徴です。